話題の「国保逃れ」一般社団法人、実は税務調査で多額の追徴課税リスクが?
- takahashikazuya
- 4月11日
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先日、維新議員の関連で話題になった「国保逃れ」を目的とした一般社団法人のスキームについて、厚生労働省から「役員としての勤務実態がない場合は社会保険の適用がない」と明示されました。 (参考記事: https://mainichi.jp/articles/20260318/k00/00m/100/254000c )
このスキームは、社会保険制度への加入ルールを悪用して社会保険料の負担を不当に免れようとしたものですが、実は税務上も非常に大きな問題(リスク)を抱えています。 今回は、この「国保逃れ一般社団法人」が抱える税務上の致命的な問題点について解説します。
1. スキームに使われたのは「非営利型」の一般社団法人?
この国保逃れスキームの受け皿として設立された一般社団法人は、「非営利型法人(共益型法人など)」として運営されていたと考えられます。 なぜなら、税務上の要件を満たした非営利型法人であれば、収益事業(物品販売など定められた34業種)から生じた所得のみに課税され、会員(理事など)から徴収していた「会費」には法人税が課税されないという大きなメリットがあるためです。税負担を極小化しつつ、集めた会費を役員報酬として還流させるには、非営利型の仕組みを利用することが不可欠だったと推測されます。
2. 勤務実態のない役員報酬は「特別な利益の供与」に該当する
しかし、厚労省が指摘した「役員としての勤務実態がない」にもかかわらず役員報酬を支払っていたという事実は、税務調査において極めて重い意味を持ちます。
一般社団法人が「非営利型法人」として認められるためには、特定の個人や団体に対して「剰余金の分配」や「特別の利益の供与」を行わないことが厳格な要件として定められています。 法人税の基本通達においても、「法人が特定の個人に対し、過大な給与等を支給していること」は、社会通念上不相当な「特別の利益を与えること」に該当すると明記されています。ましてや、勤務実態が全くないのに報酬を支払う行為は、実質的な「剰余金の分配」や「特別の利益の供与」と認定される可能性が極めて高いと言えます。
3. 非営利型が取り消され、過去の全所得に課税される恐怖
もし税務調査が入り、「実態のない役員報酬=特定の個人への特別の利益の供与」があったと認定された場合、どうなるでしょうか。
特別の利益を与えた法人は、その時点で非営利型法人の要件を欠くことになり、以後はすべての所得が法人税の課税対象となる「普通法人」に格下げ(移行)されます。しかも、一度要件を欠いて普通法人に落ちると、以後二度と非営利型法人に戻ることはできません。
さらに恐ろしいのは、非営利型法人から普通法人へ移行する際のペナルティ的な課税の仕組みです。 税法上、普通法人に移行した場合、その移行日までに非課税として内部に蓄積されていた「収益事業以外の事業から生じた所得の累積額(累積所得金額)」が、移行した事業年度の益金(課税対象の利益)に一括して算入されるという規定があります。 つまり、この国保逃れスキームを長年続けていた場合、スキームが始まった当初から法人内にプールされていた純資産に対して、一気に多額の法人税が課税されるリスクがあるのです。
まとめ:今後の税務調査による多額の追徴課税に要注意
このように、国保逃れスキームは社会保険上の適用が否定されただけでなく、「勤務実態のない役員報酬の支給」という事実が、税務上の「特別の利益の供与」という地雷のスイッチを踏むことになります。
今後、この不適切なスキームを行っていた一般社団法人に対しては、税務調査が入り、非営利型法人の否認とともに、過去の累積所得に対する多額の追徴課税が行われる事態が相次いでも全く不思議ではありません。

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