一般社団法人の理事になれば社保加入できる?維新議員『国保逃れ』問題で注目されるスキームを税理士が解説
- takahashikazuya
- 6 日前
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更新日:6 日前
はじめに
最近、「一般社団法人の理事になれば社会保険に入れる」というスキームが注目を集めています。発端は、維新の地方議員による“国保逃れ”疑惑です。
この仕組みは、実はフリーランスや個人事業主向けの「〇〇社保」といったサービスとしても広がっています。本記事では、税理士の立場から、このスキームの仕組みと最大の論点である**「常勤性」**について解説します。
※本記事は特定の団体・個人を批判したり、違法と断定するものではありません。制度理解のための情報提供を目的としています。
問題となっているスキームの概要
報道されている維新議員のケースは、概ね次の流れです。
一般社団法人の理事に就任
簡単な業務で役員報酬を受け取る
国民健康保険から社会保険に切り替える
保険料負担が大きく下がる
これに対し、「制度の抜け穴を使った脱法的行為ではないか」「制度の趣旨に反するのではないか」という批判が起きています。とくに、社会保険制度改革を掲げる政党の議員自身が利用している点が、強い反発を招いています。
よくある誤解
❌ 「理事になれば社会保険に入れる」これは誤解です。
⭕ 正しくは、「理事として“常勤性”が認められれば、社会保険に加入できる」というのが制度の考え方です。
理事という肩書がある
登記されている
役員報酬を受け取っている
これだけでは、社会保険加入の要件は満たしません。
常勤性はどう判断されるのか
日本年金機構では、常勤性を実態ベースで総合判断します。代表的な判断要素は次のとおりです。
定期的に事業所へ出勤しているか
他の仕事を多数兼ねていないか
理事会・社員総会などに継続的に出席しているか
他の役員や職員への指揮監督・調整を行っているか
単なる「意見聴取要員」にとどまっていないか
報酬が業務内容に見合った水準か
重要なのは、どれか一つを満たせばOKではないという点です。すべてを実態として見たうえで、総合的に判断されます。
維新議員のケースはどう見えるか
報道内容を前提に当てはめると、
出勤は月1回程度
本業は議員
業務内容はアンケート回答が中心
報酬は月1万円前後
この実態で「常勤性あり」と言えるかは、かなり疑問が残ります。
今後起こり得るリスク
今回の件はすでに社会問題化しています。この状況では、次のような展開も十分考えられます。
年金事務所による重点調査
理事が多数いる一般社団法人への一斉確認
常勤性が否認され、社会保険加入が取り消される
その場合、国保・国民年金を遡って徴収されるリスクが発生します。
なぜ一般社団法人が使われやすいのか
このスキームで一般社団法人が選ばれやすい理由は明確です。
資本金不要で設立が簡単
業界団体・研究団体という形を取りやすい
理事が多数いても不自然でない
理事の任期が最長2年と短い
特に、「研究団体 × アンケート調査」という組み合わせは、表面上もっともらしく見えるため、スキーム設計に使われやすくなっています。
しかし、月1回アンケートに答える程度で、常勤性が認められるかは別問題です。
その話、本当に大丈夫ですか
よくある勧誘文句は次のようなものです。
「理事になれば社保に入れる」
「国保より安い」
「違法ではない」
ですが、社会問題化した今、状況は変わっています。**「後から否認されるリスク」**を理解せずに利用するのは非常に危険です。
最後に
社会保険料の負担を減らしたい気持ちは誰しも同じです。しかし、
甘い言葉を鵜呑みにしないこと
実態とリスクを正しく理解すること
これが何より重要です。迷った場合は、必ず専門家に相談してください。

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